私自身、30代で2回の転職を経験しています。そのうち1回は、正直に言って「失敗」でした。

転職活動中は「次こそうまくいく」と思いがちですが、実際に入社してみないとわからないことは多いです。私の場合、エージェントに言われた条件を信じて転職したら、現実とのギャップに苦しむことになりました。

この記事では、私の転職失敗談を包み隠さずお話しした上で、そこから学んだ3つの教訓をお伝えします。転職活動中の方が同じ失敗をしないために、少しでも参考になればうれしいです。

私の転職遍歴とエージェントの「年収維持できます」

まず、私のこれまでの転職歴を簡単に整理します。1社目は新卒で入った会社で、業界の将来性に不安を感じて退職しました。2社目は転職エージェント経由で、ここが今回の「失敗談」の主役です。3社目が現職で、転職サイト経由で自分で応募し、年収はアップしています。

2社目での「失敗」があったからこそ、3社目では冷静に動けたと思っています。ただ当時は、本当につらかったです。

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2社目への転職で、私が利用したのは大手の転職エージェントでした。

担当のキャリアアドバイザーは感じの良い方で、「このポジションなら年収は維持できますよ」「前職と同水準でオファーが出ると思います」と、はっきり言っていました。私もそれを信じて、提示された条件を深く確認しないまま内定を承諾しました。

ところが、入社してから気づいたのは、年収の「中身」が前職とまったく違うということでした。

まず、残業代の計算方法が違いました。前職はみなし残業なしで残業した分だけ支給されていたのに対し、2社目はみなし残業が月30時間込みの給与体系でした。つまり、基本給が同じように見えても、残業30時間分は「込み」だったんです。

次に、賞与の評価基準も違いました。前職では業績連動の賞与がほぼ安定して支給されていたのですが、2社目は個人評価のウエイトが大きく、入社1年目は評価実績がないため満額支給にはならなかったのです。

結果として、年間で見ると年収は微減。エージェントが言っていた「年収維持」は、額面の基本給だけを見た話であって、残業代や賞与込みの実質年収ではなかったのです。

この経験から、転職で年収が下がるのは普通?という記事でも書いていますが、「提示年収」と「実質年収」は別物だということを身をもって知りました。

教訓1:エージェントの言葉を鵜呑みにしない

これが最大の教訓です。

誤解しないでほしいのですが、転職エージェント自体が悪いわけではありません。エージェントはたくさんの求人情報を持っていますし、面接対策や書類添削など、サポートの面では本当に助けられました。

ただ、エージェントのビジネスモデルは「転職を成立させること」で報酬が発生する仕組みです。だからこそ、求職者にとって都合の良い情報を強調しがちな面があります。

私が今になって思うのは、こういうことです。

エージェントから「年収維持できます」と言われたとき、私は自分でも確認すべきでした。具体的には、基本給の内訳はどうなっているのか、みなし残業の有無と時間数はどうか、賞与は何ヶ月分でどういう基準で査定されるのか、昇給のペースはどうか。こういった細かい条件を、自分の目で求人票やオファーレターを見て確認すべきだったんです。

「年収下がる転職はやめとけ」は本当かという記事でも触れていますが、年収の話は表面的な数字だけでは判断できません。提示条件と実態のギャップは、自分で調べなければ見えてこないのです。

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教訓2:業界をよく調べずに飛び込んでしまった

2社目への転職では、業界自体も変わりました。正直なところ、業界研究が甘かったと反省しています。

当時の私は、「とにかく今の業界から出たい」という気持ちが先行していました。1社目の業界に将来性を感じなかったのは事実ですが、次の業界について深く調べたかと言うと、そうではなかったのです。

入社してから感じたのは、業界特有の文化やルールへの戸惑いでした。仕事の進め方、意思決定のスピード、評価される行動基準。前の業界では当たり前だったことが通用しない場面が何度もありました。

業界を変える転職自体は、キャリアの幅を広げるために有効な選択肢です。ただし、将来性だけでなく、自分の価値観や仕事のスタイルとマッチするかも事前に調べておくべきでした。口コミサイトや業界で働く知人への相談など、やれることはたくさんあったはずです。

教訓3:転職を急ぎすぎた

3つ目の教訓は、転職のスピード感についてです。

1社目を辞めたいという気持ちが強くなってからの私は、とにかく早く次を決めたかった。在職中に転職活動を始めたものの、「早く今の環境から抜け出したい」という気持ちが勝って、情報収集が中途半端なまま転職先を決めてしまいました。

エージェントに登録してから内定承諾までは約2ヶ月。振り返ると、もっと時間をかけるべきでした。在職中であれば生活費の心配もないし、納得のいく条件が見つかるまで探し続けることができます。それなのに「このチャンスを逃したら次はない」と焦っていたのです。

焦って決めた結果、条件面での確認が疎かになり、入社後にギャップに苦しむことになりました。複数の企業を比較検討する余裕を持てていれば、結果は違ったかもしれません。

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「失敗」が3社目の成功につながった話

ここまで失敗談ばかり書きましたが、大事なことも伝えておきたいです。

2社目での「失敗」は、確実に3社目の転職に活きました。

3社目への転職では、まずエージェントを使わず、転職サイトで自分から応募しました。これは2社目の教訓から、「自分の目で情報を集めて、自分で判断する」と決めていたからです。

求人票の給与条件は細かく確認しました。みなし残業の有無、賞与の支給実績、昇給の仕組み。面接でも遠慮せずに聞きました。2社目で「聞かなかったこと」が全部わかっていたからこそ、何を確認すべきか明確だったのです。

また、2社目と同じ業界内での転職を選びました。2社目で苦労しながらも身につけた業界知識やスキルが、そのまま評価されました。業界を変えなかったことで年収も上がり、仕事の進め方にも戸惑いがありませんでした。

転職活動のペースも、今度は焦らず進めました。在職中に3ヶ月以上かけて複数の企業を比較し、納得した上で転職を決めています。

失敗した2社目での経験がなければ、3社目でこれだけ慎重に動くことはできなかったと思います。福岡で使える転職エージェント比較でも書いていますが、エージェントを使うにしても使わないにしても、最終的に判断するのは自分自身です。その判断力は、残念ながら失敗からしか身につかないこともあるのだと思います。

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同じ失敗をしないために意識してほしいこと

私の経験を踏まえて、転職で失敗しないためにできることを整理します。

提示条件は自分で細かく確認すること。基本給・みなし残業・賞与・手当の内訳を、口頭ではなく書面で確認してください。業界研究に時間をかけること。特に異業種への転職では、働き方や文化が自分に合うかも調べてみてください。そして、在職中であれば急がないこと。複数の企業を比較できる余裕を持つことが、結果的に良い転職につながります。

転職で年収が下がるリスクについて事前に知っておくことも大切です。30代の転職完全ガイドでは、30代が転職で気をつけるべきポイントを幅広くまとめているので、転職活動前に目を通してみてください。

よくある質問

Q. 転職エージェントは使わない方がいい?

そんなことはありません。エージェントには、非公開求人の紹介や面接対策、企業との条件交渉の代行など、大きなメリットがあります。ただし、エージェントの言葉を100%そのまま信じるのではなく、自分でも条件を確認することが大切です。特に年収に関する話は、内訳まで自分の目で確認することをおすすめします。

Q. 転職で年収が下がることは多い?

厚生労働省の雇用動向調査によると、転職入職者のうち賃金が減少した人は約3割です。決して珍しいことではありません。特に異業種への転職や地方への移動では、年収が下がりやすい傾向があります。詳しくは転職で年収が下がるのは普通?も参考にしてください。

Q. 転職の失敗はキャリアに傷がつく?

短期離職を繰り返すと不利になることはありますが、1回の転職が「失敗」だったとしても、そこから何を学んで次にどう活かしたかを説明できれば、マイナス評価にはなりにくいです。私自身、3社目の面接では2社目の経験も含めて正直に話しましたが、むしろ「自分の判断基準を持っている」と好意的に受け止めてもらえました。

Q. 転職を急いでしまう場合、どうすればいい?

まず、在職中であれば生活の心配がないことを思い出してください。焦る原因の多くは「今の環境から逃げたい」という感情です。転職活動のスケジュールを自分で決めて、最低でも3社以上は比較検討するルールを作ると、冷静に判断しやすくなります。

Q. 異業種への転職で失敗しないコツは?

業界研究を徹底することに尽きます。将来性だけでなく、その業界で求められるスキルや働き方の文化が自分に合うかを調べてください。業界内で働いている人の話を直接聞くのが一番リアルな情報源です。転職口コミサイトも参考になりますが、極端な評価は割り引いて読むことをおすすめします。

まとめ

私の転職失敗談から学んだ3つの教訓をまとめます。

教訓 具体的な内容
エージェントの言葉を鵜呑みにしない 提示条件は自分の目で内訳まで確認する
業界研究を怠らない 将来性だけでなく文化やスタイルとの相性も調べる
転職を急がない 在職中なら焦らず複数社を比較検討する

失敗から学べることは多いです。私自身、2社目での失敗がなければ、3社目の転職であれほど慎重に動くことはできなかったと思います。失敗を経験したからこそ、「自分で確認する」「自分で判断する」という当たり前のことの大切さに気づけました。

もちろん、失敗しないに越したことはありません。だからこそ、この記事で書いた私の経験が、これから転職する方の参考になればうれしいです。

このサイトでは、福岡・九州で働く30代の等身大の転職体験をこれからも発信していきます。完璧な転職なんてなかなかないですが、失敗を減らすための情報は、知っているだけで大きな差になります。