私自身は県外から戻ってきたUターン経験者ではありません。福岡県の地方エリアに住み続けながら2回の転職をしてきた立場です。ですから「東京から戻る」という道のりそのものを語ることはできません。

ただ、受け入れる側の地域で実際に求人を探し、応募し、面接を受けてきました。福岡の求人がどこに出ていて、どこには出ていないのか。県外から探すときに何が見えにくいのか。ここについては、現地にいる人間として書けることがあると思います。

この記事では、福岡のUターン求人をどの経路で探すか、県外に住みながらどう進めるか、そして内定から転居までの段取りを整理します。

福岡のUターン求人は経路によって見える範囲が違う

1つのサイトだけを見ていると、選択肢の大半を見逃します。

福岡のUターン求人を探すとき、多くの方はまず大手転職サイトに登録します。それ自体は正しいのですが、それだけだと福岡の求人市場の一部しか見えません。地場の中小企業は、紹介手数料の負担が大きい大手サービスに求人を出していないことが多いためです。

私が3社目を探したときも、複数の経路を並行して見ていました。結果的に決まったのは求人サイト経由でしたが、比較対象を持てたのは他の経路も見ていたからです。

経路 見える求人 県外からの使いやすさ
大手転職サイト 全国型。福岡市の求人が中心 高い
福岡県移住・就業マッチングサイト 移住支援金の対象求人 高い
転職エージェント 非公開求人。担当者の情報が得られる 高い
ハローワーク 地場中小企業の求人 中程度
企業の公式採用ページ 直接応募枠 高い

このなかで県外在住者がまず見るべきなのは、2つ目の福岡県移住・就業マッチングサイトです。これは福岡県が運営しているサイトで、移住支援金の対象となる求人が掲載されています。週20時間以上の無期雇用契約に基づく求人で、資本金10億円未満の中小企業等が対象とされています。

支援金を受け取れる可能性がある求人がまとまっている点で、Uターンを前提にした人には効率がよい経路です。制度の中身は福岡のUターン転職で使える補助金と支援制度に詳しくまとめました。求人を決めてから制度を調べると、要件を満たさず取りこぼすことがあります。順番としては、制度を先に確認するのが安全です。

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福岡市を選ぶか、地方部を選ぶかで話が変わる

同じ福岡県でも、求人市場は別物です。

福岡のUターン求人を考えるとき、多くの方は福岡市を第一候補にします。求人数が最も多く、都市部から移る先としてイメージしやすいからです。ただ、ここには判断すべき点が2つあります。

1つは、移住支援金の対象から福岡市が外れていることです。制度を使いたいのであれば、対象となっている市町村から移住先を選ぶ必要があります。

もう1つは、生活コストの差です。福岡市中心部と地方部では、家賃も駐車場代もかなり違います。私は福岡県の地方エリアに住んでいますが、車が2台あっても駐車場の負担はほとんど感じません。福岡市で同じ生活をしようとすると、この部分だけで月々の支出が変わります。

移住先 求人の量 生活コスト 移住支援金
福岡市 多い 高め 対象外
北九州市・久留米市など 中程度 低め 対象になり得る
その他の地方部 少ない 低い 対象になり得る

年収の額面だけで比べると福岡市が有利に見えますが、手元に残る金額と支援金を含めて考えると、必ずしもそうとは限りません。地域ごとの事情は北九州の転職市場は福岡市とどう違う?と筑後エリアの転職事情と求人の探し方で整理しています。

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県外に住みながら進めるときの現実的な手順

移住してから探すのではなく、決めてから移るほうが安全です。

福岡のUターン求人を探す方の多くが迷うのが、先に移住するか、仕事を決めてから移るかという点です。私の考えでは、収入が途切れるリスクを避けるため、決めてから移るほうがよいと思います。地方は求人の絶対数が少ないため、移住後に想定より時間がかかることがあるからです。

県外に住みながら進める場合、面接の日程調整が最大のハードルになります。ここは近年かなり改善されていて、オンライン面接に対応する企業が増えました。とはいえ、最終面接は対面を求められることが多いので、まとまった移動の機会を1回か2回は見込んでおくと計画が立てやすくなります。

進め方としては、次の順番をおすすめしたいと思います。

手順 内容
1 移住先の候補市町村を絞り、支援制度の要件を確認する
2 対象となる求人経路を決める
3 在職のまま応募を始め、オンラインで一次面接まで進む
4 最終面接に合わせて現地に行き、周辺環境も確認する
5 内定後に転居と退職の日程を組む

4つ目は省略しないほうがよいと私は考えています。求人票と面接だけでは、通勤経路の実態が分かりません。とくに福岡の地方部は車移動が前提なので、朝夕の道路事情は現地で確かめる価値があります。私は転職活動のとき、通勤ルートを実際に走ってみて所要時間の見積もりが甘かったことに気づきました。

相談先としては、福岡県若者就職支援センターがUIJターン希望者向けのメール相談を行っています。学生からおおむね39歳までが対象なので、30代の方は使えます。また、福岡県のふくおかよかとこ移住相談センターには東京窓口と福岡窓口があり、都市部にいる段階でも相談できます。

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求人票で確認しておきたいこと

Uターンの場合、都市部の感覚のままだと見落とす項目があります。

福岡のUターン求人を見るとき、都市部で働いてきた方がとくに確認しておいたほうがよい項目があります。生活の前提が変わるからです。

まず、通勤手段と手当です。福岡市中心部を除けば、多くの職場は車通勤が前提になります。駐車場が会社負担か自己負担か、通勤手当に上限があるかで実質の手取りが変わります。都市部で電車通勤をしていた方は、車の維持費という支出項目が新たに発生することも計算に入れてください。

次に、年収の水準です。厚生労働省の賃金構造基本統計調査を見ても、地方圏の賃金水準は東京都を下回ります。同じ職種でも下がるのが普通だと考えたほうが、期待値のずれは小さくなります。私自身、現職の年収は400万円台で、これが福岡の地方エリアにある中小企業として等身大の水準だと思っています。

そして、転勤の有無です。福岡に拠点を置く企業でも、九州全域を担当範囲とする求人は珍しくありません。腰を据えるために戻ってきたのに、結果として移動の多い仕事だったということが起こり得ます。

年収が下がる場合の考え方は転職で年収が下がるのは普通?に、福岡での正社員求人の探し方全般は福岡で正社員求人を効率よく探す方法にまとめています。

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よくある質問

Q. 福岡のUターン求人はいつ頃が多いですか

一般的には年度替わりを見据えた時期に動きが出やすいですが、地方の中小企業は欠員が出たタイミングで募集をかけることが多く、通年で出ています。時期を待つより、条件に合う求人が出たときに動けるよう準備しておくほうが実用的だと思います。

Q. 移住してから探したほうが有利ですか

面接の日程調整は楽になりますが、収入が途切れるリスクがあります。地方は求人数が限られるため、想定より時間がかかることも珍しくありません。私は在職中に3か月以上かけて探しました。焦って条件を妥協せずに済んだのは、収入があったからだと思っています。

Q. エージェントは使ったほうがいいですか

県外から探すなら有効だと思います。現地の企業の雰囲気や、求人票に書かれていない事情を教えてもらえることがあるためです。ただし担当者の説明は必ず自分で裏を取ってください。私は2社目の転職で担当者の言葉を鵜呑みにして年収が下がりました。福岡で使えるサービスは福岡の転職エージェントを実体験で比較してみたに書いています。

Q. Uターン全体の流れを知りたいのですが

生活コストの比較や年収差を含めた全体像は福岡へのUターン転職ガイド|東京からの実体験にまとめています。この記事は求人探しの部分に絞った内容なので、あわせて読んでいただくと全体の見通しが立ちやすいと思います。

まとめ

福岡のUターン求人は、大手転職サイトだけでは一部しか見えません。福岡県移住・就業マッチングサイト、エージェント、ハローワーク、企業の公式採用ページを組み合わせることで、見える範囲が広がります。移住支援金を使う前提なら、求人を決める前に対象市町村と就業要件を確認する順番が安全です。福岡市は求人数で有利ですが支援金の対象外なので、生活コストと合わせて判断してください。

私から個人としておすすめしたい行動を1つ挙げるなら、最終面接で現地に行く機会に、平日の朝と夕方の通勤ルートを実際に通ってみることです。求人票からは分からない生活の実態が、そこで一番よく見えます。

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